TOYOTA 86 & BRZのブレーキパッドを考える(3選 )
TOYOTA 86(ZN6)のブレーキパッドを純正からproject μ TYPE PSに交換しました.GT Limitedの純正品との比較と選定の忘備録です.
TOYOTA 86 GT Limited 純正品
GT Limitedにはスポーツ(サーキット)走行にも耐えられるメタル配合パットが純正採用されています.
ブレーキペタルを軽く踏んだだけで強力な制動力を発揮し初期制動から安心感は抜群です.また,ワインディングを走っていても熱ダレすること無く,スポーツカーに乗っている楽しさを感じさせてくれる逸品だと思います.
ただ,安心感と引き換えにメタル配合パッドゆえのデメリットもあります.
1.信号停止時など軽い制動時にはキーッという高い音が出ます.
2.ブレーキダストが凄い.(1週間も乗ればホイールは真黒けです)
3.ブレーキローターが減る.(パッドと一緒にローター交換が必要)
タウンユザーにとって制動力との引き換えの代償は大きいですよね.
補足)走行距離61,100kmでブレーキパッド残4mm,ブレーキディスクの耳1mm(1mm削れている)でした.
GT Limitedの純正ブレーキパッドに関する記事は下記をご参照ください.
社外ブレーキパッドを比較3選
通勤がメイン使用の筆者としては,スキール音は我慢できるとしてもダストの多さとローターが減るのは回避したいものです.しかし,折角スポーツカーに乗っているので制動力も欲しい.この矛盾を解決できるブレーキパッドを探しました.
Project μ TYPE PS
以下、メーカーの説明を引用します.
ストリートスポーツ走行に求められる制動力と、低ダスト、低ノイズを両立.
ペダルタッチとコントロール性能も高く、軽車両から重量車まで対応するワイドレンジモデル.
材質 ノンスチール(Non Steel)
温度域 0~500℃
摩擦係数 0.38~0.45μ
強烈な摩擦によって出たダストも確実に排除する
ブレーキパッドの摩擦材に含まれた物質が高温によって燃えた時にガスが発生し,パッドとローターとの隙間でブレーキの効きを妨げます。これをフェード現象と言います。ブレーキパッドのセンターに配置されたスリットが,ガスとパッドカスを効率良く排出させ,安定した制動力を維持します。
※一部車種には対応しておりません
※ローターの経年変化による共振や,ジャダー,ブレーキダスト,錆,気候等が原因でブレーキ鳴きが発生する場合があります。
不快な鳴きを抑制するチャンファーカット
パッドに角があると,制動時不快な音が発生してしまいます。それを防ぐために,角を削ぎ取り(端部チャンファーカット)不快なブレーキ鳴きを極力抑制しています。
※ローターの経年変化による共振や,ジャダー,ブレーキダスト,錆,気候等が原因でブレーキ鳴きが発生する場合があります。
余計な焼き入れは不要
プロジェクト・ミューのブレーキパッドはあらかじめ熱処理加工を施してあり,製造時のみ必要となる,不要な素材をあらかじめ燃やし尽くすので,フェードの原因となるガスの発生を抑制します。購入後,ナラシをして頂くだけで,安心してお使い頂けます。
※ローターの経年変化による共振や,ジャダー,ブレーキダスト,錆,気候等が原因でブレーキ鳴きが発生する場合があります。
歪みを防止する,強固なバックプレート
バックプレートに求められる性能は,ピストンの強力な圧力に負けず,歪まないという点です。歪んでしまうと摩材部分が剥がれ落ち,重大な事故を引き起こしかねません。通常,バックプレートにはスチールを使用しますが,プロジェクト・ミューでは,純正比20%の強度アップをさせたスチールプレートを使用し,十分な強度を確保しております。
(引用:https://www.project-mu.co.jp/ja/product-info/type_ps)
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DIXCEL M type
以下、メーカーの説明を引用します.
低ダストなのにしっかりと止める
一見すると矛盾しているような言葉ですがアフターマーケット(社外品)ブレーキメーカーのDIXCELだからこそこのテーマに絞った開発が出来るのです。
DIXCELはモータースポーツ専門メーカーではありません。それどころか一般車輌やミニバン、高級輸入車に至るまで様々な角度からそのニーズに対応すべく開発、研究を行っています。
ほとんどサーキット走行未経験であるというスポーツカー、GTカーのオーナーやミニバンのオーナーのように本来スポーツユースを目的としない方々の共通の願いは制動能力を落とさずにもっとダストを少なくしたいというものでした。
ブレーキパッドの適正温度域からレース等の特殊な高温条件を省けばこの問題を解決できますがそれだけでは肝心の制動力が損なわれる恐れがあります。
DIXCELがモータースポーツにこだわる理由はそこにもあります。
そのシビアな世界で培われたブレーキ材質選定技術を駆使し最も重量級と言われているレクサスLS600hやアルファードといった車両で検証を行いました。
そのためには180km/hから何回も急ブレーキを繰り返し非現実的なまでの条件をパスした材質であるからこそDIXCELのMtypeは低ダストのみに特化したブレーキパッドとは一線を画しているのです。
“綺麗にしっかりと止まる"
これだけは譲れない開発コンセプトから生まれたブレーキパッドなのです。
- ※180kmからの繰り返しブレーキテストはサーキットを使用しております。
- ※サーキット走行を想定して設計しておりませんのでそのような条件で使用されますと早期摩耗や性能劣化の原因となります。
- ※スポーツ走行をお考えの方はZもしくはRシリーズをお勧め致します。
材質 ノンアスベスト・オーガニック
温度域 0~500℃
摩擦係数 0.39~0.52μ
(引用:https://www.dixcel.co.jp/pad/pad_m.html)
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ENDLESS S-Sports (SSS)
以下、メーカーの説明を引用します.
ストリートブレーキパッドの条件である低ダストの開発に早くから成功。そして新たなユーザビリティに応えるため、低温走行時でも踏み始めからダイレクトに減速を感じることができます。初期制動重視のストリートユーザーにおすすめです。
【ダイナモ試験による、一般効力試験(JASO C406)に基づくデータ】第二効力試験のデータを元に、特定のスピード域での摩擦係数をグラフ化。
※第二効力試験とは、公益財団法人自動車技術会が制定した乗用車・ブレーキ装置・ダイナモメーター試験方法の1つになります。Super Street S-sports(SSS)と、現在販売されている一般的なスポーツ車の純正ブレーキパッド、他社メーカーの同価格帯ストリートブレーキパッド(A社)の比較データになります。
グラフから、一般的なスポーツ車の純正ブレーキパッド、他社メーカーの同価格帯ストリートブレーキパッドと比較すると弊社Super Street S-sports(SSS)の方が摩擦係数において高い数字を記録しております。
【摩擦係数について】
お車の状況がすべて同じと仮定した場合、摩擦係数が0.3から0.4のパッドに交換することで、50km/h→0km/h 0.6G(一般の方のフルブレーキを想定)で制動距離が約25%短縮されることになります。
材質 ノンアスベスト
温度域 0~480℃
摩擦係数 0.38~0.45μ
(引用:https://endless-sport.co.jp/products/brake_pad/SSS.html)
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まとめ
悩みに悩んだ結果,結局は自身では決めきれずプロショップに相談しました.
タウンユースメインでたまにワインディングとミニサーキット程度の使用ならどれでも良いとの解答でした.
使用法を考慮して敢えて言うなら,ENDLESS SSSは勿体ない(ローターが高価),DIXCEL M typeはブレーキローターも合わせて経験上ですがサーキットでの使用は困難とのことでした.
アドバイスを基にブレーキローターと合わせてProject μ TYPE PSをチョイスしました.
使用感
純正の踏み始めからガツンとくる強力な制動が無くなり、明らかに初期制動は下がりましたが,踏力に合わせて制動力が変わるのでコントロールしやすいと思います.純正時は少しブレーキを残すのが難しかったのですが、ブレーキを残したままのコーナリングでもコントロールし易いです.
ただ,強い制動力が欲しい際はかなり強く踏む必要がありますので女性など非力な方は扱い難いかも解りません.
ダストは驚くほど少なくなりました.と云うか,ホイールには殆ど付着してませんので,出てないと言っても過言でないと思います.
ブレーキキャリパーからエメラルドグリーンのバックプレートがチラ見えしてセクシーなところが気に入ってます.
注)ご購入の際はメーカーホームページ等で必ず適合をご確認ください.