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TOYOTA 86 (ZN6/ZC6)のブレーキディスクローターを考える

2022年3月5日

TOYOTA86(ZN6/ZC6)のブレーキディスクローターをProject μのSCR Pure Plus6に交換したので,選考理由を含め備忘録として記載します.

https://www.project-mu.co.jp/ja/product-info/scr_pure_plus6

ディスクが削れて減ってくる

ZN6のGT Limitedにはスポーツ走行にも耐えるメタル配合のブレーキパッドが純正採用されています.踏み始めから強力な制動力が得られるのはタウンユースでもすこぶる安心なのですが,ローターへの攻撃性が高くローターがすり減るためにブレーキパットと共にディスクローターの交換が必要となります.

ディスクローターがパットに削られた結果,ディスクに耳ができると呼ばれる現象が発生し,下の画像では約1mm削れてます.
注)ディスクの耳:ブレーキパットはデスクの中央部を挟んでいる(全面を挟んでいない)ため外側と内側にパットが挟んでいない領域が生じ,その部分が削られずに残る現象

ディスク強度の問題で1mm減れば交換が必要だそうです.

私の場合,ブレーキパッドは約4mm残っていたのですが,ディスクが限界を迎えたという訳です.

ディスクの耳

ディスクローターに求めるもの

TOYOTA86の純正ローターに対して全く不満は無いのですが,せっかく交換するのなら社外品も試してみたいと思い調べてみました.

性能

強度と耐熱性

タウンユース用のローターをサーキット等で使用すると高確率で変形するそうです.ということは,ワインディングでも注意を要します.
社外品ではタウンからワインディングとの紹介が多いのはこれが理由でしょうか.

素材も様々で,最高級は軽さと耐熱性に優れたカーボン性ですが,廉価版ではFC鋳鉄と呼ばれる純鉄に炭素を混ぜたモノが主流のようです.
炭素を混ぜすぎると溶融温度が低くなり,硬度は増すが脆くなる性質があるそうです.

耐久性・耐熱性・放熱性・軽量化と交換時の費用効率を加味して競技用の2ピース構造と価格重視の1ピース構造がありますが,タウンユースがメインなので,価格を考慮して今回は1ピースを選択しました.

外観(見た目)

性能もさることながら,見た目も大切な要素なので私はスリット入りを選択しました.
ノンスリッドの製品に販売店などが後からスリット加工を施している廉価版も流通している様子です.
この様な後加工品は重量偏差や強度の保証が無いので注意しましょう.

品質管理(重量偏差)

車軸と一緒に高速回転するローターなので,平行度や厚み偏差に加えバランスも重要です.
重量偏差を補修する切削処理が施されているかも重要な要素です.
タイヤのホイールバランスと同様でバランスが取れていなければ走行時に微振動が発生し安定走行に影響を及ぼします。

重量偏差を調整した切削処理

選考商品 2選

タウンユースがメインでたまにワインディングそして極稀にミニサーキットでの使用用途を基に性能と価格から2つが候補に上がりました.

Project μ SCR Pure Plus6

Project μ SCR Pure Plus6

以下、メーカーの説明を引用します

ラウンド形状のスリットは、ストレート形状スリットよりクリーニング効果が高く、初期制動を向上させます。ストリート走行がメインの方にお薦めです。

構造1Piece
材質FC鋳鉄
スリットラウンド形状 / 片面6本・両面12本

大幅な耐久性向上を可能とする特殊処理

一般的なディスクローターは、ハードな走行をすると、歪みが発生する事があります。強力且つ安定したブレーキングを実現するためには、歪みは許されません。そこでプロジェクト・ミューでは、ディスクローターに特殊な熱処理を施す事で材質を安定させ、歪みを防ぎます。また、一部製品の表面には防錆メッキ処理を施し、錆からも防御します。

高性能の基本は、こだわりの素材から

私達は、純正交換という限られたサイズの中で最大限の技術とアイデアを活かし、如何に性能を向上させるかに拘り続けています。そこでSCRには、量産タイプのFC鋳鉄よりも、耐久性・耐熱性・ノイズ軽減等に優れる高合金FC鋳鉄を採用。SCR-GTとSCR-PROには、さらにハイパフォーマンスを発揮する、高合金ハイカーボンFC鋳鉄を採用しています。

引用:https://www.project-mu.co.jp/ja/product-info/scr_pure_plus6

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DIXCEL SD type

DIXCEL SD :https://www.dixcel.co.jp/rotor/rotor_sd.html

以下、メーカーの説明を引用します

プラス20%の制動力がもたらす安全性!

  • 各種シミュレーションテストではPDタイプに比べ、摩擦係数が最大20%アップ!
  • 20%の制動性能の向上により、車輌の安全性が向上! ゆとりのあるドライビングが可能に!
  • スリット本数は鳴き、摩耗、ガスの除去効果など様々な事案を考慮し、6本に決定!
  • スリットの幅、角度、深さなどは実戦データから最適な数値をチョイス
  • 回転方向はより高いシェービング効果が得られるようリバース回転(逆回転)を採用
  • スリット位置をアウター/インナーでオフセットすることによりジャダーの抑制に成功
逆回転・正回転での効果の違い

どちらの向きで装着してもスリットの効果は生まれるが、逆回転の方が正回転に比べて摩擦係数は高くなります。
しかし、その反面パッドの摩耗は逆回転の方が正回転より多くなります。以下、弊社SDタイプの逆回転及び正回転での比較データになります。

引用:https://www.dixcel.co.jp/rotor/rotor_sd.html

アタリ付け

ディスクローターは急激に熱が入ると変形やクラックが入る可能性があります.
回避するためには,ブレーキパッドやディスクローターを交換した際はアタリ付けが必要なのでメーカーからの注意事項を転記します.

ストリートのみ使用の場合

組合わせるパッドや走行道路によっても異なりますが、一般道で大体300~1,000Kmほど必要になります。その間、急制動、急ハンドルなど急の付く運転は避けて下さい。また無理矢理、温度を上げるような走行もお控え下さい(ローターを歪める原因となります)。つまり、ごく普通の『安全運転』で走行頂ければ、ストリートでのアタリ付けは完了致します。

イメージとしては・・・

「パッドの成分をローターに徐々に乗せる」イメージで、走行距離を重ねてください。
中古ローターに新品パッドを装着した場合は直前に使用していたパッドの成分がローター表面に付着しています。この古いパッドの成分を一度落とす必要がありますので、研磨を行わない場合は、パッドのアタリが付くまで時間が掛かることがあります。また、組み合わせるパッドとローターによっては、アタリが付くまでジャダーが出る場合があります。

引用:https://www.dixcel.co.jp/subcontent/ataritsuke/

まとめ

両商品ともに魅力的で,素人には判断が困難なためプロショップに相談しました.

ショップ談
タウンユースやワイディングならご予算に合わせてどちらでも結構ですょ!
ただ,走行会などではSD Typeは避けたほうが良いかな…だそうです.

使用用途と予算に合わせてご検討ください.

材料不足

コロナ禍によるサプライチェーンの混乱により物通が滞っていることが原因で,材料不足のため納期にかなり時間を要しています.
私の場合,2021年9月初旬に発注して納品は11月末の約3ヶ月待ちでした.
お急ぎの際はご注意ください.

注)メーカーの適合表を必ずご確認ください.


ブログ,,86&BZR

Posted by よっしー