多層フラーレン・二硫化タングステン添加剤(T-BOOST)をエンジンオイルに入れてみた
多層フラーレン・二硫化タングステンをご存じでしょうか。
二硫化モリブテンがエンジン内での摩擦を軽減することはよく知られていますが、その理想形が多層フラーレン・二硫化タングステンだそうです。二硫化タングステンについて調べた結果と実際に使用してみた感想を備忘録として纏めます。
個体潤滑剤とは
潤滑材は液体潤滑剤と個体潤滑剤に大別されるそうです。
液体潤滑剤は有機モリブテンや有機チタンなどが有名で、レーシング用などの高級オイルに配合されているのを見かけます。
個体潤滑剤はあまり耳にしませんが、二硫化モリブテンや二硫化タングステンがあるそうです。
以前の記事でご紹介した、Silent+や隼オイルは有機モリブテン配合であり、有機モリブテンが熱で硫黄と反応して二硫化モリブテンになるそうです。
詳しくは下のリンクから過去の記事をご参照ください。
液体の有機モリブテンでも効果を体感することができたので、個体潤滑剤である二硫化タングステンの効果が楽しみです。
多層フラーレン構造?
層構造
二硫化モリブテンをはじめ多くの個体潤滑剤は層状構造であり、層がズレることで摩擦を軽減しているそうです。
フラーレン構造
フラーレン構造は5角形や6角形の面が立体構造になっているそうです。この球体が転がって摩擦を低減するイメージなので、層構造とは異なり対圧力や対摩擦など凄い効果が期待でます。
多層フラーレン構造
色々な大きさのフラーレンが何層にも重なることにより強い圧力にも耐えることが出来るようになります。しかも高強度のタングステン元素が成分なのでさらに強度が増します。
MIKADO OIL T-BOOST
エンジンオイルの勉強のためにMIKADO OIL様のホームページを拝見している際にT-BOOSTを知りました。
二硫化モリブテンの存在は知っていましたが、その上の二硫化タングステン、しかも多層フラーレン構造はエンジンに関する摩擦お宅の筆者には夢のような存在です。
エンジンのみでなく、ミッションやデフまたは各部ベアリングにも添加したい衝動に駆られます。
詳しくは、MIKADO OIL様のホームページをごらんください。
T-BOOSTの使用方法
二硫化タングステンはどのような見た目なのか、少しコップに出してみました。
溶剤が何なのかは分かりませんが、色は黒に近い灰色です。
原液はかなりの粘度でコップの側面にベッタリと付着して垂れてきません。エンジン内部の細かいキズに付着して摩擦を軽減してくれそうです。
メーカー推奨の添加比はエンジンオイル1Lに対してT-BOOST 25mlです。推奨の10倍になりますが、透明のプラスチックコップにオイル100mlに対してT-BOOST 2.5mlを混ぜてみました。(写真中央)
廃油のような色になってしまいました。
結果
テスト車
車種 TOYOTA 86(ZN6)
年式 2021年5月登録 applied model H
走行距離 22,623km
エンジン音量
粘度がかなり高い為、エンジンオイルに均等に混ってエンジンの各所に行き渡るのには時間を要すると考え、T-BOOSTを添加して100km走行後にエンジン音を測定てみましたが、数値の変化は殆ど見られませんでした。
交換前のエンジンオイルはPAOが基油のAZ CEH-002 0W-30 HYBRID+ で2500km程度の走行後だったため、オイルが劣化する前でエンジンノイズは低かったのだと考えられます。
比較する為にオイル交換時もAZ CEH-002 0W-30 HYBRID+の新油にT-BOOSTを添加しました。
体感
エンジン音やエンジンの滑らかさ吹き上がりに変化は感じられませんでしたが、1000rpm~1500rpmあたりの低回転域でのトルク感はかなり向上していると体感出来ました。アイドリング程度の回転数でも半クラッチにするとグイグイと車が持っていかれる感覚です。
オイルはAZ CEH-002 0W-30 HYBRID+ですが、前々回のオイル交換前までは有機モリブテン配合のSilent+や隼オイルだったのでエンジン内のFrictionは低かったと考えられます。
購入方法
ミカド商事株式会社様ホームページのオイル購入アイコンからお見積りフォームへ
まとめ
今回、MIKADO OILのT-BOOSTを添加しましたが、もともとトルク感が細いFT20エンジンでの低回転域でのトルク感アップはなにものにも代えがたい喜びが有ります。200CCくらい排気量がUPした感じです。
今後もT-BOOSTを使用し続けたいと思います。