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【実録】ホイールナットに関するお悩み解決

2021年6月3日

アルミホイールを新調する際にはホイールナットもドレッシーにしたいですよね.しかし,ホイールナットには色々な規格が有ります.車体とホイールを接合する大切な部品であり安全性が第一です.危険な素材も有るため選定には注意を要します.
私の経験を踏まえ,愛車に適合するホイールナットの選び方を解説します.

ENKEI ホイールとホイールナット

ホイールナット・ハブナット

ホイールナットはハブナットと呼ばれる事も有ります.
ホイールをハブ(車軸)と連結させるための重要な部品であるため適正に装着することが基本です.形状のみでなく材質など強度にもかかわる要素ですので,慎重に選ぶ必要が有ります.

引用:協永産業 http://www.kyoei-ind.co.jp/sangyo/product/R40iCONIX_M14.html
ハブボルト M12×P1.25

ナットの作用

ボルト(ネジ)とナットは対で用いますが,ネジはバネの要素を持っていることをご存知ですか.ナットを締め付ける事でネジ山とナットの山が強力に押し合う事になります.この時にお互いの反跳力で摩擦力を生み出して固定されている訳です.締め付けトルク(強さ)は車種によって決められているので,装着時はトルクレンチを用いて適正トルクで締める事をお勧めします.
ネジの精度と素材の強度が重要になる理由が理解できますね.

ホイールナットの規格

ホイールナットにはネジサイズとネジ山ピッチおよびテーパー座(ホイールを締め付ける部分)によって規格されています.

ネジサイズとネジ山ピッチは特別な改造を行っていない限り車体の純正規格で決まります.
下図は86&BRZの規格です.ハブボルトの直径は12mm.ネジ山ピッチは1.25mmで二面幅が21mmの六角形のナットであることが解ります.

ナット形状の表記
引用:協永産業 http://www.kyoei-ind.co.jp/sangyo/NUT&BOLT.html

取り付け座の形状

ナットの取り付け座(ホイールとの接面)形状でも違いが有ります.

  • テーパー座:接面が楔状になっており大半が60度です.
          楔形の作用でボルトがホイール穴の中心に誘導されることにより回転時のブレを防止できます.
  • 球面座  :接面が球状になっています.あまり見かけませんがホンダNSXに採用されていることが
          有名です.
  • 平面座  :接面が平になっています.ダイハツ車に多いようです.

純正形状は上記の如くですが,社外ホイールを装着する際はホイールの座面形状にナットの座面形を合わせる必要がありますので,必ず確認するようにしましょう.

ネジサイズ

国産車の場合ハブボルトの直径は12mmまたは10mmが多いようです.ハブボルトのネジ山ピッチは1.25mmと1.5mmが有ります.通常トヨタ車は1.5mmなのですが,86はTOYOTA車ですがスバル規格のため1.25mmであることに注意してください.

ホイールナットの材質

ハブナットの材質にはスチール・アルミ・ジュラルミン・チタンなど様々ありますが強度を出すために殆どが合金で作られています.
素材によってはインパクトレンチが使えないモノがあるので,ホイールを外す際は業者さんにナットの素材を知らせておいた方が無難です.
私はジュラルミン製を装着している際に,ボルトに噛んでナットを破損した上,ハブボルトを交換する羽目になった経験が有ります.デーラーの整備工場が使用したインパクトレンチの衝撃でナットの溝が歪んだ事が原因だと考えます.
下の一覧でインパクトレンチを使用可能な素材には(イ)を附記しておきます.

  • スチール製:加工がしやすく安価で強度が有るため純正品の殆どに採用されて
          います.(イ)
  • ジュラルミン製:加工がしやすく軽量なのですが強度に問題があり,モータース
          ポーツではあまり採用されません.
          (注)超ジュラルミンと称される鍛造製も有ります.
  • アルミ製 :軽くて加工しやすいのですが,強度が若干弱い傾向が有ります.
          高価にはなりますが鍛造素材が用いられる事が有ります.
  • クロモリ製:鉄にクロムとモリブテンを配合した合金鋼です.アルミよりも若干
          重たくなりますが,鋼鉄なので強度があります.(イ)
  • チタン製 :強度があり軽量で有るため最適な素材なのですが非常に高価で,
          モータースポーツなどでは多く採用されています.(イ)

貫通型・袋型

ホイルナットにはテーパー座の形状の他,ハブボルトに対して貫通しているモノと袋状になっているモノが有ります.
貫通タイプは軽量化やロングボルトへの対応が可能な反面,雨ざらしになるため錆や汚れによるナット噛みをしやすいというデメリットもあります.
袋タイプはボルトを包み込む為,錆などの防止にはなりますが,蓋部分が増量になります.
その他,リムが深い場合はロングタイプなども用いられます.通常リム幅でロングタイプのナットを装着した際は,車体幅からはみ出す可能性が有ります.車体からはみ出すと車検に通りませんのでご注意ください.

貫通型 引用:協永産業 http://www.kyoei-ind.co.jp/sangyo/product/LR_EL53.html
貫通型 引用:協永産業 http://www.kyoei-ind.co.jp/sangyo/product/LR_EL53.html
袋タイプナット 引用:協永産業 http://www.kyoei-ind.co.jp/sangyo/product/LR_EL53.html
袋タイプナット装着例

スレッドコンパウンドは使用不可

防錆やネジ噛み防止を目的にスレッドコンパウンドの塗布を進めているサイトを見かけますが,ホイールナットやバブボルトへの塗布は禁止されています.
高速で回転する上,路面からの衝撃がダイレクトに伝わる部分ですので,緩みや脱落防止のため注意事項は厳守しましょう.

まとめ

ホイールナットはドレスアップに重要なアイテムです.車体とタイヤ・ホイールを繋ぐ重要な部分であるため,走行にはブレーキシステムと同じく安全性が求められます.使用目的や着脱頻度などを考慮して最適なホイールナットを選んでください.