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AZ CEH-002 0W-30 HYBRID+エンジンオイルの使用感

2024年2月15日

愛車である86&BRZ(ZN6 ZC6)に搭載されているFA20型エンジンのメーカー指定オイル粘度は0W-20です。
低粘度オイルは劣化が早いと言われていますが、実際の使用感でも2000km~2500kmを過ぎた頃からノイズというか雑味が出て来るのを感じています。
ここ数年はVHVI基油のオイルを使用して来ましたが、今回は100%化学合成オイルで基油の最高峰と言われているPAOがベースのAZ CEH-002を使用したので備忘録として纏めます。

AZホームページより引用

AZ CEH-002 0W-30 HYBRID+ってどんなオイルなのか

低温流動性に優れた100%化学合成油であるPAO(グループⅣ)をベースに、専用添加剤とエステルを用いた独自の処方によりハイブリッド車に求められる始動性と省燃費性を満たした高性能4サイクルエンジンオイルです。

柔らかい低粘度のオイルがエンジン内部の小さな隙間に入り込み、優れた潤滑性を与えます。摩擦抵抗を減らして滑らかな走行が可能です。

PAOと独自のエステルベースの添加剤技術(AET)によって、強力な油膜を維持し続け、高い省燃費性、低温での優れた始動性、高温での安定した潤滑性を発揮します。

さらに、高い安定性によりエンジンオイルの劣化を防ぎ、高いパフォーマンスを維持します。

  • 日本製
  • 油種:グループⅣ(PAO)+グループⅤ(ESTER)
  • SAE規格:0W-30
  • API規格:SN
  • 対応車種:ハイブリッド車・エコカー
  • 動粘度:58.68(40℃)、10.58(100℃)
  • 粘度指数:172

【粘度指数とは】潤滑油と粘度の関係を表したもので、数値が高いほど温度変化に強いオイルということになります。

AET(AZ ESTER TECHNOLOGY)は、AZが確立した唯一無二の添加剤配合技術です。

エステルオイルは、分子中に数個のエステル結合をもつ合成基油で、低粘度でありながらも高粘度指数をもち、低温流動性に優れているものや、高温安定性に優れているものなど様々な種類があります。

また、他のオイルに比べ高い潤滑性能を備えており、エステル同士を組み合わせたり、他のベースオイルと組み合わせるなど、エンジンオイルに広く使用されています。

しかし、加水分解(水と反応して起こる分解)を起こして変質しやすいという弱点があるため、エステルオイルの配合には、それをカバーするノウハウと添加配合技術が必要になります。

AZのエンジンオイルには、エステルオイルの特性を活かし、最高のパフォーマンスを発揮できるように配合設計するAZ独自の添加剤配合技術を用いております。

それが、AET(AZ ESTER TECHNOLOGY)です。

(AZ ホームページより引用 AZ(エーゼット) 自動車用 エンジンオイル 20L 0w30 CEH-002 (az-oil.jp)

PAOとVHVI どちらが良いの?

PAOはPoly α Olefin(ポリアルファオレフィン)の略称で、エチレンから作られるα-オレフィンを原料とし、重合反応と水素化処理によって製造され、硫黄や窒素、芳香族などの不純物を一切含まない化学合成油であり合成系炭化水素とあります。

VHVIはVery High Viscosity Index(ベリーハイビスコシティインデックス)の略称で、原油を常圧蒸留したものを減圧蒸留して製造されたVGO(バキュームガスオイル)を水素化分解した、石油系炭化水素とあります。

化学の難しい話はさておき、PAOの方が化学的に安定していると考えられます。
エンジン内部では高温の環境下で高速かつ圧力のかかった状態の金属が高速で動いています。要するに潤滑(低摩擦)が高く極圧に対応できる性能が求められるのです。

一般的にPAOはVHVIに比べて劣化が早く、分子が小さいあまりシールドへの攻撃性が高いいと言われています。
また、PAOやVHVIは単独ではなくエステルなどを調合して使用されている場合が多いのですが、エステルに関しても賛否両論ですが、以前の記事でふれましたので今回は割愛します。
基油に関する記事は下記も合わせてご参照ください。

PAOとVHVIのどちらが良いのか、との二極論ではなく、用途によりメリットとデメリットがあると考える必要があります。

車種やエンジン形式ではなく、用途で使い分けることが重要であり、サーキットや高速走行を行う場合はVHVIで走行後はコマ目に交換、通勤や買い物がメインでたまにワインディングの場合はPAOが良いのではないかと私は考えています。

ESTER(エステル)

エステルは極圧性能が高いほか、極性があり金属に吸着する作用があるためドライスタートに強いという作用があります。
しかし、高温化では水分と反応して加水分解しオイルの性能を劣化させる性質があるため、サーキット走行後などは交換が必要となります。

AZホームページより

2500km使用した感想(隼オイル0W-30,Silent+5W-30との比較)

エンジンオイルの7つの役割(潤滑性、冷却性、緩衝作用、防錆作用、密封作用、洗浄作用、酸中和作用)がバランスよく作用することが大切であることは理解した上での感想です。VHVI基油の隼オイル0W-30,Silent+5W-30と比較してみました。

エンジン音

他の記事で報告しましたがVHVI基油である隼オイルやSilent+に比べるとアイドリング時から高回転域までエンジン音は少し大きくなったと感じます。
隼オイルやSilent+はモリブテンが配合されているため有機モリブテンの作用でしょうか。

滑らかさ(吹き上がり)

低回転域~中回転域では若干モッサリ感は有りますが、比較しているオイルと粘度が違うため何とも言い難い印象です。
高回転域では違和感なくレブリミットまでスムーズに回ってくれます。高回転域でのスムーズさは比較している2者よりも良い感じです。

トルク感アップ

走り出しや中間加速でのトルク感が増した気がします。
これは気密性がアップしていることの現れだと考えます。
気密性が上がればブローバイも減少するため、オイルの劣化防止にも役立っている事でしょう。よって2000Kmを過ぎても雑味を感じませんでした。

トルク感のアップは走っていて気持ちい良いので大きな産物には間違いないのですが、交換してしばらくすれば前のオイルの印象が薄くなり忘れてしまうのが残念です。

洗浄作用

水平対向エンジンはエンジンヘッドを空けて内部を見ることが出来ない為、オイルの色をお見せします。
2500kmでの汚れ具合としては普通ではないでしょうか。
触った感触では指にまとわる感じやヌメリ感は十分に感じられましたのでオイルとしての役割は十分に残っていると思います。

歴代のオイルと比べると若干の透明度が保たれている気がします。洗浄作用が心配ですが、エンジン内部の様子にも影響されるため解りません…

左:新油.右:2500km使用後

まとめ

コスパが良かったVHVI基油のオイルが原油の高騰で軒並み価格上昇したことが、今回のAZ CEH-002 PAOを使用するキッカケとなりました。
AZさんは色々な製品を低価格で御提供頂いており、燃料添加材の他にも自転車用のメンテナンス資材を愛用させて頂いており、品質は信頼しています。
どの商品も高性能でコスパが良いので大ファンです。

ちなみに、AZさんではスポーツ走行用はVHVI基油でラインナップされています。
AET(AZ ESTER TECHNOLOGY)を用いたラインナップでも街乗り中心のHYBRID+、スポーツ走行に主軸を置いたCIRCIT+、完全にスポーツ走行のRACINGがあります。

比較

  • 隼オイル:2000kmを超えたころから雑味というかノイズが出て来るように感じています。
         エステルの作用なのか廃油もサラサラになっており耐久性という点で気になりました。
        (詳細は 【初級】エンジンオイルの基礎知識 参照)
         このオイルの使用感として、とにかくエンジンが軽いのが特徴です。早い交換が良いのかも…
         成分割合は判りませんが筆者調べではTOYOTA GAZOO Rcing MOTOR OILと成分構成は同じです。
  • Silent+ :エンジンが静かでスムーズなのが特徴です。
         このオイルとの出会いがモリブテンに興味を持ったキッカケでした。
  • HYBRID Plus AET:上記2つはVHVI基油ですが、こちらの基油はPAOです。
         アイドリング時のエンジン音は上記2つに軍配が上がりますが、走り出せば差を感じません。
         2000kmを過ぎても雑味は感じませんでした。

    基油としてPAOとVHVIのどちらが良いのか、色々と調べていますが賛否両論で結論には至っておりません。
    間違いなく言えることは、この価格でPAOですから、何といってもコスパが最高です。 

追記

2024年6月
どこのショップでも在庫切れなので確認したところCEH-001,CEH-002のペール缶は絶版になったそうです。
コスパ最高な高性能オイルだったのに残念です。

2024年8月
2500kmあたりからノイズというか雑味を感じるようになり、3000kmで交換しました。
1000km時に自分で添加剤(BELL HAMMER 7)を足したため、これが影響かもわかりません。

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